日本のドライフルーツ<干し柿・干し芋・梅干し>

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日本にも食べ物を乾燥させるという食文化は昔からありました。昆布やスルメ、魚の干物、切り干し大根、干ししいたけ、干し芋、梅干し、寒天、高野豆腐などがあげられます。これらは冷蔵庫のない時代、食べ物を長期保存するために作られました。

ドライフルーツが作りやすい気候の条件は、気温が高く、湿度の低い乾燥した地域です。日本でドライフルーツ作りがあまり発達しなかったのは、気候がドライフルーツ作りに向かなかったことと、日本人には四季折々の旬を味わう食文化があったためだといわれています。

ここでは、数少ない日本のドライフルーツともいえる干し柿・干し芋・梅干しについて、少し考えてみましょう。

干し柿について

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柿(Kaki Fruit)が、日本に伝わったのは弥生時代だといわれています。「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれているように、柿はとても栄養価の高い果物で、昔から保存食非常食として日本人に親しまれてきました。干し柿は、渋柿を天日に干し乾燥させた食べ物です。

渋柿はそのままでは食べられませんが、乾燥させることにより、渋柿に含まれる渋みのもとである、可溶性のタンニン(カキタンニン、シブオール)が不溶性に変化し、渋みがなくなり、甘みが強くかんじられるようになります。その甘さは砂糖の約1.5倍ともいわれ、天然の甘味料として昔から利用されてきました。

柿は、甘柿と渋柿に大別されます。渋みは、タンニン(シブオール)という成分で、未熟なときは全ての柿にありますが、甘柿は熟すと渋が抜けていきます。一般的に甘柿は暖かい地方に多く、渋柿が寒い地方に多いといわれています。

甘柿は、岐阜県の「富有柿」(ふゆうがき)、静岡県の「次郎柿」などが有名です。渋柿の代表種は「平核無柿」(ひらたねなしがき)「種なし柿」として出荷されることもあります。また全国的に広く栽培されている、新潟県の「おけさ柿」、奈良県の「刀根柿」、山形県の「庄内柿」などもあります。

干し柿作りには、小型の品種が用いられることが多く、渋柿の主な品種として、長野県の「市田柿」、山形県の「紅柿」、岐阜県の「堂上峰屋柿」、富山県の「三社柿」などがあります。

冬の風物詩にもなっている干し柿ですが、日本だけでなく、中国や韓国、台湾などでも食べられています。近年ではアジア以外の国々でも人気の食品となりました。

日本の干し柿といえば、紐でくくって軒先などに吊るして干すものが多いですが、中国ではカゴに並べて天日干ししたものや、竹串にさした串柿などもあります。韓国ではコッカムと呼び、干し柿を切り開いてクルミを巻いたコッカムサムと呼ばれるものもあります。

柿の栄養について

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柿は、ビタミンC、K、B1、B2、β‐カロテン、タンニン(柿の渋味でポリフェノールの一種)、ミネラル、食物繊維を多く含みます。何と言ってもビタミンCが豊富で、みかんの2倍も含まれています。

干し柿にするとビタミンCは減るものの、糖分が生柿の約4倍、β‐カロテンは3倍に増えます。甘柿は1個200gあたり120kcal、干し柿40gあたり110kcalで、栄養が凝縮された分、カロリーが高くなります。

干し柿の主な栄養成分は炭水化物で、マンガン、カリウムなどのミネラル、食物繊維も多く含まれています。干し柿は昔から、二日酔い防止、高血圧予防に効果があるといわれています。不溶性の食物繊維が豊富で、整腸作用に優れています。

腸のバランスを整え、排便を促し、コレステロールを吸収して有害物質を体外に排出してくれます。表面に付着している白い粉は、果肉から染み出た糖分が結晶化したもので、主にマニトール、ブドウ糖、果糖、ショ糖です。中国ではこれを「柿霜」(しそう)といい、咳やのどの痛み、口内炎に効果があるとされ、生薬として利用されています。

また、生柿は体を冷やしますが、干し柿は胃腸を丈夫にし、内臓を温める効果があるといわれています。ブドウ糖は、脳の働きを活発にしてくれ、疲労回復に効果があります。

昔はどの家庭でも作られていた干し柿

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渋柿の皮をむき、へたについた枝の部分を紐で結び、一本の紐に数個の柿を結び付けていきます。雨露を避け、通風をよくするために、家の軒先などに吊るして天日干しして乾燥させていきます。十分に乾燥されずに、水分がたくさん残っていると柔らかいですが、カビが生えやすく長期保存ができなくなります。

柿に含まれている栄養とその効果について、さらに詳しくまとめてみました。

<ビタミンC>

水溶性ビタミンで、コラーゲンの生成などに必要な栄養素です。強力な抗酸化作用があり、シミ、ソバカス、たるみ、シワなどに効果があると期待されています。

<カリウム>

カリウムは、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、尿への排出を促して体内の塩分濃度を保つ役割があります。高血圧の抑制、利尿作用、むくみ解消などに効果があります。

<食物繊維>

水溶性食物繊維のペクチンは、コレステロールや糖の吸収を抑え、高脂血症や糖尿病、肥満、動脈硬化を予防するといわれています。また不溶性食物繊維のセルロースは、腸内の有害物質を吸着して外に排出する役割があり、便秘や大腸ガン予防に期待されています。

<抗酸化成分>

柿のオレンジ色の色素には抗酸化成分であるβ‐カロテンや、同じカロテノイドの一種、β‐クリプトキサンチンが多く含まれています。抗酸化成分は、抗ガン作用があるといわれ、最近注目されている成分です。

β‐カロテンは、体内でビタミンAに変化します。粘膜を強化して、ウイルスに対する抵抗力を強める働きがあり、風邪などにかかりにくくしてくれます。

柿ポリフェノール(タンニン)は、赤ワインや緑茶の50倍、カカオの2倍も含まれています。タンニンは、血管を強くして血液をサラサラにし、血圧の上昇を抑える効果があるといわれています。

タンニンには、アルコールを分解し、外に排出する作用があります。柿ポリフェノールは、空気やガスなどと酸化反応をするため、消臭効果があるといわれています。口臭や体臭、ワキガ、便臭の原因となる悪臭を、臭わない性質に変化させると期待されています。

<注意点>

干し柿は、タンニンは鉄分と結びついて貧血を起こしやすくなります。鉄の吸収が妨げられるので、一日に2~3個くらいにとどめておきましょう。また、干し柿はカロリーが高いので、食べ過ぎには注意が必要です。

まだまだすごい!柿のパワー

柿の葉は、新陳代謝を活発にし、血圧を下げる働きがあり、お茶にして飲まれています。柿の葉の若葉にはビタミンCが豊富で、生柿より多く含まれています。葉100gに対し、1000mgで、これは柿の実の9倍、レモンの20倍です。

ビタミンCは熱に弱いといわれていますが、柿の葉に含まれているビタミンCは、プロビタミンCという、ビタミンになる前の状態のものなので熱に強く、お茶にしても効果は失われません。柿の葉茶は、葉をつんできれいに洗った後、2~3日陰干しします。

その後蒸してから陰干しして乾燥させて作ります。ノンカフェインなので、睡眠を妨げず、寝る前でも大丈夫です。小さなお子さんにも安心して飲ませられます。柿の葉には、ビタミン以外にも、柿の渋味成分タンニンが豊富に含まれています。

抗酸化作用、抗菌作用、血圧降下作用、動脈硬化、脳梗塞の予防にも効果が期待されています。また柿の葉に含まれるケンフェロール、クラノセチンというフラボノイド(ポリフェノールの一種)が血圧上昇を抑える働きがあります。

フラボノイドのひとつ、アストラガリンも豊富に含まれていて、アレルギー性鼻炎の原因になるヒスタミンの過剰な分泌を抑制する働きがあり、高い抗アレルギー効果があるといわれています。

また柿のヘタには、ヒドロキシトリテルペン酸、ブドウ糖、タンニンなどを含み、咳止め、下痢止め、しゃっくり、げっぷ止め、夜尿症に効くとされ、煎じ薬として利用されています。

次に、日本の代表的な乾燥食品をご紹介します。

梅干し

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梅は、東部アジア温帯原産のバラ科サクラ属の落葉高木の果実です。日本の梅は、中国渡来のものと原生種との交配種です。日本には平安時代に入ってきたといわれています。主な梅の品種に、南高、白加賀、古城、小梅などがあります。

梅には、疲労回復、食欲増進、消化促進、殺菌作用などの効能があるといわれています。また中国では昔から漢方として用いられています。梅干しは、青梅を塩で漬けて、天日干しし、熟成させた食品です。

梅干しを毎日食べると医者いらずといって、昔はどの家庭でも自家製の梅干しを作って常備していました。現在でも、熱中症予防に効果があると注目されている食品です。

梅干しには、クエン酸、フマール酸、リンゴ酸、オキザロ酢酸アルファケト、グルタン酸、イソクエン酸、アコニット酸、コハク酸の8種類の有機酸が含まれています。梅干しの酸味は、クエン酸によるものです。

クエン酸が体内に吸収されると、細胞がエネルギーを効率的に生み出します。この回路は「クエン酸サイクル」と呼ばれ、乳酸を炭酸ガスと水に分解して体外へ出して、疲労回復を促します。

クエン酸には、体内のカルシウムの吸収をよくする働きがあるので、育ち盛りのお子さんや高齢者の方にもオススメの食品です。
梅干しなどの酸っぱいものを食べると唾液が多めに出ますが、これは刺激唾液と呼ばれ、活性酸素を減らす働きがあります。また梅干しを食べると、胃を守ろうと胃粘膜が分泌され、これにより胃壁を保護する役目をします。

梅干しは菌の繁殖を防ぐ効果があります。梅干しを弁当やおにぎりに入れるのはそのためです。梅干しは長期熟成させたものほど、殺菌力や疲労物質の分解力の働きが強くなるといわれています。

梅干しに含まれるベンズアルデヒドや、安息香酸は強力な防腐作用があるため、昔は腹痛や下痢止めの薬代わりとしても利用されていました。今でも日本の民間薬として、梅エキスが注目されています。

果肉エキスには、ムメフラールという成分が含まれています。これは梅の果汁を煮詰めて梅肉エキスを作る過程で作られる物質で、ムメフラールには血流を改善し、血管壁にコレステロールがたまるのを防ぐ役割があります。

おやつ感覚で手軽に食べられる干し梅が売られていますが、これも低カロリーなおやつとして最近人気があります。

干し芋

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干し芋は、サツマイモを蒸してから乾燥させた食品で、「乾燥芋」、「きっぽし」、「いもかち」などとも呼ばれています。昔からある保存食で、日露戦争でも活用され、軍人いもと呼ばれていました。

細長く薄い板状をしている「平干し」、薄切りにしないでそのまま干した「丸干しいも」などがあります。干し芋には適度な水分を含み、サツマイモ独特の甘みと、噛み応えのあるソフトな食感が特徴的な食品です。

干し芋の作り方

サツマイモを水で洗った後、皮をつけたまま1~2時間ほどかけて蒸しあげます。その後皮をむき、すだれに広げて冬の寒風を利用して天日で1週間程度干します。「丸干しいも」の場合、より長期の乾燥が必要になります。生の芋は白色をしていますが、干すと飴色に変化します。近年は、機械乾燥で作られるものもあります。

整腸作用のある食物繊維を多く含み、ビタミンB1やビタミンC、カリウムなどのミネラルも豊富です。コレステロールは含まれていないため、健康食品としても人気があります。そのまま食べても美味しいですが、火であぶるとより甘みが増し、香ばしさがうまれます。

表面についている白い粉は、カビではなく、芋の糖分が表面に出てきて結晶化したものです。現在日本では、茨城県、群馬県、静岡県、長崎県などで主に多く生産されています。


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